なんとも切なくなる話ですが、「死後離婚」をする人が増えています。このとき、遺産相続や遺族年金、子供の姓はどうなるのでしょうか?
死後離婚とは、配偶者が亡くなってから、その親族関係との縁を解消することです。親族と縁を切っちゃって、遺産相続や遺族年金はもらえるんでしょうか。
目次
死後離婚したら遺産相続はどうなるのか
死後離婚したら遺産相続はもらえ・・・ます。
ついでに言うと、遺族厚生年金ももらえます。遺族年金の場合は、そもそもの条件である「生計を同じくする」というのを満たしている必要はありますが、しっかりもらえるんですね。
そうするとここでズル賢い人はよからぬことが頭に浮かんでくるかもしれません。
「もうすぐ亡くなる人と結婚したら、遺産相続も遺族年金も全て私のもの」
世の中そんなうまくはいかない、と思いきや結婚などの遺産相続や遺族年金の条件となる部分に不正が無ければもらえてしまいます。
じゃぁ、亡くなる直前に結婚して、亡くなったら即死後離婚したらどうなるのでしょうか?
普通に両方もらえます。
実は配偶者が亡くなったら(死亡届が提出されたら)婚姻関係は自動的に解消されるんです。
ですから、遺産相続や遺族年金は配偶者が亡くなった瞬間の状態(結婚しているか?生計を共にしているか?)で決まり、受給資格を失うまで遺族年金はもらい続けることが出来ます。
遺産相続や遺族年金と死後離婚は全く関係ないということですね。
姻族関係終了届と復氏届
一般的に死後離婚とは姻族関係終了届を提出することを指しますが、これを提出していないと配偶者が亡くなった後もその親族が生活に困ったら養う義務があるのです。
これを提出するのは圧倒的に妻側が多く、提出する理由も親族を養うのが嫌だという理由が多いです。
言われてみると確かにそうだとは思うし、自分も同じ立場だったら死後離婚しちゃうかなぁと思いますが、なんだか悲しいですね。
亡くなった配偶者の親族が何も言ってこないからと言って、姻族関係終了届を出さずに他の人と再婚してしまった場合はどうなるのでしょう?
前の配偶者との姻族関係は自動的に消滅するのでしょうか?
これが消滅しないんですよね。前の配偶者との姻族関係は継続されたまま、新しい配偶者との姻族関係も発生し、二重三重になる可能性があるわけです。
これは注意しておいた方が良さそうですね。
また、復氏届を提出することで妻は旧姓に戻ることが出来ますが、旧姓に戻ったからと言って姻族関係が解消されたことにはなりません。
とにかく姻族関係を解消するには姻族関係終了届の提出が必要だということですね。
死後離婚した後の子供の姓
死後離婚した後、亡くなった配偶者との間の子供の姓はどうなるのでしょうか?
妻側が死後離婚し、旧姓に戻した場合に子供の苗字はどうなっちゃうのでしょう。
亡くなった夫の姓
妻は死後離婚して旧姓に戻したけど、子供の姓はそのまま亡くなった夫の姓にしておくというのは可能です。
子供の周りの人間関係などを考慮して、波風立てずそのままの姓にしておきたいとか、子供には内緒で死後離婚や復氏をしたい場合などがあるかもしれませんよね。
妻が旧姓に戻すことと子供の姓は関係ないので、妻が旧姓に戻したからといって子供の姓も自動的に妻の旧姓になるということはありません。手続きもいりません。
妻の旧姓
死後離婚し旧姓に戻した妻の姓と同じ姓に子供の姓を合わせることは出来るのでしょうか?
この場合、子供が結婚して結婚相手の姓になっているという状態でなければ可能です。
さすがに結婚して相手の姓になっているのを勝手に変えることは出来ないようですね。
まとめ
- 死後離婚しても遺産相続や遺族年金はもらえる
- 離婚もしくは姻族関係終了届を提出しない限り配偶者の親族の扶養義務は消えない
- 復氏届けを提出して旧姓に戻っても姻族関係は消滅しない
- 夫の死後妻が旧姓に戻した場合、子供の姓は基本的に夫婦どちらの姓も使える
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